2020/06/10
京都大学と印刷大手の凸版印刷は、芸術家の思考の道筋をフレームワーク化し、ビジネスの現場で新しい発想を生み出す思考法「アートイノベーションフレームワーク」を開発した。凸版印刷はこのフレームワークを活用した研修を計4回実施し、社員から約100の事業プランが提出されている。
京都大学によると、フレームワークは京都大学大学院総合生存学館の土佐尚子特定教授が監修した。芸術家が作品を生むときの思考を基に、その過程を発見、調査、開発、創出、意味づけの5段階に分け、ビジネスの現場に応用した。目的は全く新しい価値を見つけることに置いている。
京都大学と凸版印刷は2019年5月、京都大学大学院総合生存学館に「凸版印刷アートイノベーション産学協同講座」を設置し、新しい価値の創造について共同研究を進めてきた。フレームワークはその中から誕生した。
凸版印刷はフレームワークを活用した1泊2日の研修を2019年度から開催し、土佐教授の講義を受けるほか、京都市内の美術館、寺院、人間国宝の拠点などを視察、そこで得たアイデアをディスカッションしている。
京都大学と凸版印刷は今後、フレームワークを人財開発プログラムとして外部に販売することを検討するとともに、アイデアの事業化を推進する。
参考:【京都大学】アート思考により人財育成を支援する新手法を開発 -アーティストの思考ロジックをフレームワーク化し、新たな価値創造で企業の人財育成・事業開発を支援-(PDF)
大学ジャーナルオンライン:https://univ-journal.jp/32827/