2017/09/07
危険度の高い病原体を扱うBSL4施設について、設置を計画する長崎大は9月6日、施設の理念や安全対策などの方針を示した基本構想の確定版を発表した。これを報じた朝日新聞(9/7)によれば、来年度の着工に向け、計画は実施設計や安全管理マニュアルの作成など、より具体的な段階に移る。今春に示された基本構想の「中間まとめ」から修正したのは、施設の安全管理の監査を担う「バイオセーフティ管理監」(仮称)の位置づけを明確にした点。
学長に是正改善措置を勧告できる権限を持ち、安全管理マニュアルの作成にも関わる。施設を整備する感染症共同研究拠点の外に置かれ、独立性が保たれる。精神的な疲労による事故や、病原体の持ち出しなど人為的な漏出を防ぐため、作業者のメンタルヘルスに関する記述も盛り込んだ。施設を使う審査の段階で健康診断を行うほか、作業期間中も定期的にメンタルヘルスのチェックを行い、不適切と判断されれば施設長が作業の停止を命じる。